北九州 きもの文化連盟

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針供養

淡島神社 淡島神社に建てられた針塚

           淡島神社         淡島神社に建てられた針塚

「針供養」とは折れた縫い針や曲がってしまった針を供養する行事で、2月8日(または12月8日)に主に淡島神社(粟島神社)で行われます。 かつて、12月8日と2月8日は事八日と呼ばれ、2月8日を事始め、12月8日を事納めとして、この日から「農耕を始め・終る日」とされていた。両日は慎みをもって過ごす日とされ、この日は針仕事を休み、折れた針を神社に納めたり、豆腐や蒟蒻のように柔らかいものに刺したりすることで供養し、裁縫の上達を祈ります。 門司区にある淡島神社でも、毎年2月8日に針供養祭りが行われ、和裁や洋裁に携わる多くの方がお詣りされています。


06一月といえば・・・

年も明け、お正月気分も抜けてきた一月中旬。街できものを着た女性を多く見かけますよね。一月中旬ごろは『初釜』というお茶会が多く開かれる時期になります。初釜というのは、茶道の行事の一つであり、新春を迎えて初めて掛ける釜のことです。 そして、同じ流派で習っている方が一堂に会する行事でもあります。
 さて、最近でこそ洋装の参加もあるみたいですが、初釜でももちろん、きものを着るチャンスです。
 初釜は神聖でおめでたい行事です。出すタイミングの難しい、おめでたい時に着る『晴れ着』を着ていくチャンスでもあります。普段のお茶会で来ている色無地でももちろん良いのですが、タンスで出番を伺っている・振袖・訪問着・付け下げたちの出番です。
 一年に一度のおめでたい席ですし、明るく華やかな装いをして初釜に『華やかな趣』をもたらしてみてはいかがでしょうか?

縦縞と横縞

一般的に縦縞は細く見えて、横縞は太って見えると思われているようですが実際には違うようです。ピンストライプのような細い縦縞はまったく問題ないのですが、太めの縞は横に横に広がって見えるので、実際の巾より広く見えます。
ウナギの寝床のような京都の町屋ですが、少し巾の広めの格子戸をつけると、間口が広く見えるのはそのためです。逆に横縞、横段は縦に縦に広がって見えるので、実際の高さよりも高く見えるそうです。法隆寺の五重塔は、ビルよりもずっと低いのに塔だけみるととっても高く見えます。
 きものにもその原理があてはまります。反物の状態では分かりませんが、実際に着装してみれば一目瞭然!良くわかります。
 皆さんがきものを選ばれるときの、ひとつの参考にしていただけたらと思います。



06半衿

襦袢の衿に掛ける半衿は、襦袢の本衿よりも短く半分ぐらいの長さと、半幅の布を用いると言う意味から半衿と言われたようです。
無地のものは江戸中期から、柄物は明治以降から現れだしました。半襟の生地、色、文様などにはその時代趣味が反映され、半衿専門の作家も生まれました。
明治10年頃から、絞りの半衿が用いられだし、その後間もなく友禅染が現われ、さらに友禅に刺繡をほどこし、大正から昭和の戦前までは刺?の半衿が流行しました。大正年間には初めて半衿の展示会が催され、友禅・絞り・刺繡などの技術が活かされた半衿が人々の関心を集めました。 地色は多色にわたり、生地は季節に合わせて、夏は絽縮緬や紗・麻など、春、秋、冬は縮緬や塩瀬の物を用います。
最近は昔ほど胸元の半襟の部分を多く出しませんが、半衿一つで着物の全体の雰囲気も変わり、おしゃれ感が出て楽しいものです。
ぜひ皆様も半衿のおしゃれに挑戦してみて下さい。


家紋のお話

お客様に次のような事を聞かれることがあります。

Q.1 紋の種類
A. 紋帳にもよりますが、約4,000~5,000種類が掲載。苗字に鈴木さんや田中さんが多いように、紋にも五三の桐、揚羽蝶、蔦等の紋が多く使用されています。30年以上紋の仕事をしていますが、紋帳の1~2割ほどしか使用していないように思います。

Q.2 縫い紋と描き紋 A. 描き紋が正式な紋で、縫い紋はどんなにきれいで豪華な加賀紋(多色の色糸を使用した紋)やボカシ紋(濃淡の色糸を使用したグラデーション紋)でも略式になります。 Q.3 紋見本のある特殊紋 A. 時々家紋額やお墓の写真を見本として預りますが、きものに入れる紋の大きさ(女紋21mm、男紋38mm)という制度があり、見本とは微妙に違ってきます。 家紋は日本の大切な文化だと思います。少しでも多くの人に着物を愛し、家紋を大切にしていただければ幸いです。




若い人にももっときものを!

同年代の友人と話をしていると「きものって大人っぽい柄ばかりで地味だからあんまり…」 と言っていました。確かにきものって落ち着いた柄が多いイメージ。
  でも実は、そうでもないのですよ! 紬や小紋などの『お普段のきもの』には、若い女性にも馴染みやすい縞柄(ボーダー)や格子柄(チェック)、やさしいピンクやグリーンなどのパステルカラーがあったり・・・と洋服感覚で見ても「可愛い!」ものが実は多いのです。
  それにきもの姿というのは雰囲気がガラッと変わるので、『いつもと違う貴女』というギャップを演出できます。
  お友達とおでかけするときやお食事など行かれるときに是非着てみてはいかがですか? きものを着てお食事に行くと洋服のときよりちょっと良い席に通してもらえたり、いつもより接遇がよかったり・・・とちょっぴりお得なサービスを受けることが出来たりします。
  それに「北九州きものパスポート」を持っているとワンドリンクサービスや割引きなど、とってもお得な特典がついてきますので是非この機会に…! 私もパスポートを持ち歩いては色んなお店で割引していただいたりして、遠慮なしにフル活用させてもらっています!
  きものは落ち着いた女性だけが着るもの、というわけではないのです。 『若い人のきもの』というのもとっても素敵ですよ。
  そんなきもの姿の女の子がもっともっと街に増えたらいいのになぁ、と思う今日この頃です。




七五三

七五三(しちごさん)とは7歳、5歳、3歳の子供の成長を祝う日本の行事です。天和元年(1681年)11月15日、舘林城主・徳川徳松の健康を祝って始まったとされる説が有力です。男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の年の11月15日に成長を祝って神社・お寺などにお参りに行きます。本来は数え年ですが、最近では満年齢でも行われています。  ※3歳は髪を伸ばす「髪置(かみおき)」、5歳は初めて袴を付ける「袴着(はかまぎ)」、7歳はそれまでの紐付きの着物に代わって本仕立ての着物と丸帯と言う大人の装いをする「帯解(おびとき)・紐落(ひもおとし)」の名残からその年齢にするようになったそうです。七五三では千歳飴(ちとせあめ)を食べて祝います。千歳飴は長寿の願いを込めて細く長く縁起の良い紅白になっていて、鶴亀や松竹梅などの縁起の良い図案の描かれた袋に入っています。
  七五三は子供にとって一生に一度しか無い、心に残る家族行事ですので、ぜひ行なって記念の写真などを残してあげましょう。



素敵な着物姿を目指して

「着物は高価だから手が出ない。呉服屋さんに行けば何十万円と言う着物ばかり並んでいるし、仕立てにかかる費用だってばかにならない。それにお手入れにもお金がかかるし・・・。」そう思っていらっしゃる方は多いと思います。でも洋服もユニクロなどの安価なものから高級ブランドのものまで色々様々です。お手入れも家で洗濯機で洗えるものから、特別なクリーニングを専門の方にお願いしなければならないものまで・・・。同じように着物にもお手頃なものから高級なものまで色々あるのです。
  しかも着物は洋服と違い、お手入れを適切にしておけば40年、50年先でも十分着用できます。もちろんお母様やおばあ様のお着物にもあなたに似合うものがきっとあるはずです。流行の変わる洋服を毎年何着も買って次の年はもう着られない、と言う事はよくある話です。一方少しの体型の変化にも着物は対応できますし、上手に買って上手に着まわせば、着物ほど経済的なお召し物はないと思います。
  また「着物は窮屈だからイヤ」と言う方も多いですね。確かに成人式などでの着付けでギュウギュウ締め付けられ、大変な思いをした方は少なくないようです。でもそのほとんどが着付けをしてくれた方が自分自身の着付けは出来ない方だと思います。しかし自分で着付けが出来れば気持ちの良い着付けが出来るでしょうし、人にも楽に着せてあげることが出来るはずです。
 如何です?あなたも「着物生活」にチャレンジしてみませんか?「素敵!!」と言われる着物姿を目指して・・・・・。


ゆかた

今では夏の風物詩となっている「ゆかた」、最近では夏の普段着としても着用されることが多くなりました。ただ年配の方には「昼間からゆかたを着るなんて・・・。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。そこで、今回はゆかたの歴史?のお話です。
  「浴衣」の語源には諸説あるようですが、一般的には平安時代に入浴の際に着用した「湯帷子(ゆかたびら)」とされています。当時の入浴は現代のように首まで湯につかるというものではなく、蒸し風呂のような風呂で、男女混浴だったようです。そのため「湯帷子」も蒸気風呂に入るための装束で、素材も吸水性が低く速乾性の「麻」で、今のゆかたやお風呂とはだいぶ違っていました。
  このお風呂が江戸時代には今のお風呂に近い形になり、江戸中期には今の銭湯の原型である「湯屋」が大人の社交場のような役目を持ちだしたのです。その頃に日本でも綿織物が一般に普及し始めたこともあって、「湯帷子」も湯上りの水分、汗を吸う素材として、「綿」に代わっていったようです。ファッションに敏感な江戸っ子の事、湯上りの社交場で当時大流行した藍染をゆかたに・・・、と言うのも想像できますね。
  この時の流れが白地に藍染、藍の染め抜き、という現代のゆかたのイメージになったと思われます。そして20~30年ほど前までは、ゆかたはお風呂あがりや夕涼み、せいぜい夜のお祭りに着るものだったのです。
  時代は下がって1980年代になると、プレタポルテと呼ばれる出来上がりのゆかたが登場。また、デザイナーズブランドの斬新な色柄のゆかたも登場し、ゆかたブームが起こりました。最近ではゆかたに半襟を付けて着たり、足袋を履いたり、また生地が綿だけではなくポリエステルの洗える素材であったりと、夏の着物との境界が無くなってきた部分もあります。
  でも着物の第一歩として、若い方や今まで着物にあまり縁のなかった方々がゆかたで楽しんで下さり、きものって素敵だな、もっと着てみたいな、と思って下さると嬉しいですね。


夏のきもの

日本は四季の移り変わりの本当に美しい国です。きものも季節ごとや月ごとに衣替えをすると言うのは、四季の移ろいを肌で感じたり心で愛でたりと言う私たち日本人の美意識の表れだと思います。今日ではきものを着る機会も少なくなり、衣替えも昔に比べゆるやかに考えられるようになりました。5月中旬~6月と9月~10月上旬は透けない単衣、盛夏の7月や8月は、絽や紗などの透ける薄物や麻を着ます。模様にも季節感をだして、初夏には紫陽花や杜若などを着ると似合います。帯はきものに比べて着用時期がゆるやかなので、季節感のある模様や素材選びを楽しめます。現在は温暖化の影響もあり、さらに着用時期が広がる傾向にあります。地域の気候に合せて、ある程度柔軟に対応して、涼しげに見えるようなコーディネイトを心がけると素敵ですね。




「呉服」 ~ルーツは中国に…~

「呉服」とは、和服用の織物を総称して言います。本来は、綿や麻など太い糸で織った太物に対し絹織物のことを指します。語源の「呉」は古代中国の国の名にちなんだものです。呉(くれ)からもたらされた服(はとり=機織はたおり)の意味の呉服 (くれはとり)を音読した言い方が定着したものと言われています。日本人であることを実感する「着物」もルーツをたどれば中国伝来ということなんですね。「呉服」「和服」「着物」いろんな言い方がありますが、私は気軽にきものを楽しんでいただきたいという気持ちからあえて「きもの」「キモノ」と表現するようにしてます。



「振袖」の袖は、なぜ長い?!

振袖は元々子供用の小袖が起源で、女性の間で着られるようになったのは、江戸時代のことです。もともと舞踊の際に着る着物であり、長い袖が踊りの中で感情表現の役割を持っていました。「袖を振る」と愛らしい気持ちを表し、「袖にすがる」と哀れみを請うという仕草になるのを当時の女性たちが真似て大流行したのが始まりだそうです。さらに、袖を振るという動作は厄を払うという意味に通じることから、儀式的な意味合いも持つようになり、現代の正式礼装として定着していったのです。




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